男女雇用機会均等法施行以来、女性の社会進出は続いています。近年は一億総活躍社会が謳われ益々女性の役割が増えてきています。一方、子供のいる共働き家庭や片親家庭の場合、保育園はなくてはならない存在であり待機児童の問題が話題になっています。各自治体も対策を打って保育園の数は増えつつありますが、保育士不足が保育園の増加にブレーキをかけているひとつの要因になっています。
保育士への需要があると同時に、保育園で提供される給食を担う調理師への需要が発生しています。子どもたちへ提供される食事には万全の安全が保証されなくてはなりません。免許を持ったプロが責任を持って作った食事が提供されなくてはならないからです。
かつてはレストランのシェフ等になるために取得するといった調理師が少なくありませんでした。後々はオーナーシェフになるという夢を持って免許を取得した人も少なくないでしょう。
しかし、現在では保育園での需要が注目されているように、さまざまな形で調理師の活躍が期待されています。食に対する安全意識が高まれば高まるほどニーズが増えていくと想像することは難しくありません。
調理師免許を取得するには
調理師になるには大きく2通りあります。ひとつは、レストランや給食施設などで調理業務を2年以上経験した上で都道府県で実施している試験を受けて合格し都道府県知事に免許申請し取得する方法です。もうひとつは厚生労働大臣が指定している調理師養成施設、いわゆる専門学校などで学び卒業して都道府県知事に免許申請し取得する方法です。
どちらの場合も時間的制限はあります。専門学校には1年制や2年制があります。つまり最低でも1年間はかかるということです。一方、働きながら取得を目指すとなると最低2年はかかります。また、金銭的な面でも違いがあります。専門学校等に通うとなるとそれなりに学費がかかります。学校によって学費はさまざまですが、およそ年間100万円から200万円ほどかかります。
それぞれ一長一短があるので自分に合った免許取得方法を選んで進路を決める必要があります。
調理師の活躍している場所
ひと言で調理師と言っても働いている場所はさまざまです。まずは飲食店ですが、個人経営のレストランからはたまたラーメン店まで多種多様なお店があります。ホテルやチェーン店など大きな厨房で働く人もいます。お店の営業時間によって労働時間はさまざまですが、調理師としての仕事は営業時間外も多くあるのが普通です。
次に給食の調理場です。保育園、幼稚園、学校などの給食を作ります。社員食堂なども似ているカテゴリーです。給食は昼食の提供が主なので飲食店に比べ労働時間が割りと短時間であるのが特徴です。
そして、もうひとつが病院や老人ホームなどの福祉施設です。ここでは朝、昼、晩と食事が提供されますのでシフト制での勤務が多くなります。限定されたメニューから選んでもらうというよりかは一人ひとりにあった献立を看護師などの施設職員と密に連絡を取りながら決めることになるのが通常です。